平成20年7月号
(第123版)
〜 私のストレス解消法 〜
 
サンヒル 介護職 田原
 はじめまして。サンヒルきよたけに勤務させていただき、早いものでもうすぐ9か月になります。まだまだ慣れない事ばかりで、ご迷惑をかけております。私は、福祉の仕事に就く前は、歯科技工士をしておりました。御存知かと思いますが、歯を作ったり、義歯を作っていました。仕事上ずっと同じ姿勢をしているためか、首や手に痛み、しびれを覚え困ってしまいました。義歯作成上、お年寄と接することが多く、また、父が老健のデイケアを利用していて、介護の現場もみていました。興味もありましたので、思いきって、福祉の仕事に就くことにしました。首の痛み、しびれもなくなり、今では思いきってよかったと思っています。
 私のストレス解消法は、ジョギングです。きっかけになったのは技工士の仕事をしている時に、忙しさのあまり、気がつくと、息をしていない!!これは困った。どうしたらいいものか?考えましたところ、走ったらどうだろうと思い、走り始めました。最初は、200m走るとゼーゼーハーハーと息があがりました。毎日少しづつ続け、5Km走れるようになり、おかげで、仕事中自然と息をすることができるようになりました。それが走ってると、何か気持よくなるのです。お酒のほろ酔い気分か、好きな音楽を聞いている時と同じような気分になるんです。それが病みつきになって、だんだん走る距離も長くなり、走らないとストレスを感じるようにまでなり、フルマラソンが走れるようになりました。速く走りたいという欲も出てきて、4時間もきれるようになりました。聞かれたことあると思いますが、走ってる時、気持ちよくなるのは、「ランニングハイ」という現象です。脳内モルヒネの中のβエンドルフィンがたくさん出るようです。また、たくさん酸素を吸うので、有害な活性酸素も発生します。だから走る時は、βエンドルフィンがたくさん出るように努めて楽しいことを思い浮かべながら、走っています。その材料となるタンパク質の大豆が体のことを考えるとよいそうで、ビタミンもたくさん摂るようにしてます。食事にも気をつけるようになりました。走ると腰などに負担がかかりますが、走るフォーム次第では、筋肉に負担をかけて走る方法があるようです。ただ、走るだけですが、いろいろと奥が深いものですね。
 仕事が体力いりますので、これからも、ジョギングを継続して、体調管理に気をつけ、楽しみながら、走って行きたいと思っています。仕事ができることに感謝しながら、頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。
〜 ザンビアの乾いた風 〜
 
迫田病院 医局 榎本
 「風に立つライオン」に憧れてアフリカの大地に降り立った。期待と不安、そして好奇心に満ちた僕を迎えてくれたのは、「紫色の桜」とも言われる満開のジャカランダの花であった。日南海岸で時々見掛けるものとは比べ物にならず、その大きさと美しさに圧倒された。
 道行く人はみな黒人(当然だが・・・)。行き交う車はほとんどが日本の中古車。「埼玉オートセンター」などというステッカーを貼ったままの車に、人々がすし詰め状態で乗っている。頬をなでる空気はカラカラに乾燥しており、汗はすぐに結晶化してしまう。リップクリームが手放せない。
 地平線に向かってどこまでもまっすぐに延びる道をひたすら走る。警官の検問やオーバーヒート、ガス欠などのトラブルも楽しい。道端の少年はひたすら立ち続けて魚を売る(鮮度は大丈夫?)。
 世界三大瀑布のひとつヴィクトリアの滝。乾季のために水量は少なく、ただの断崖絶壁であったが、そのスケールの大きさは形容しがたい。ジンバブエとの国境に架かる橋(高さ128m)からのバンジージャンプ。さすがにこれは飛ばなかった・・・。
 サファリで出会った数多くの野生動物たち。水面に浮き沈みするカバ。飛ぶように跳ねるレイヨウの群れ。こちらには目もくれないヒヒ。道路をふさぐ水牛。親子で寄り添うシマウマ。辺りを睥睨するキリンは意外に走るのが速い。絶滅危惧種のサイは悠然と歩き、アフリカゾウは怒ってこちらに突進してきた・・・。
 世界中の人たちと眺めた、ザンベジ川に沈む夕日の美しさと地ビール「モッシ」の美味しさは忘れられない。地酒の「チブク」はさすがに強烈だったが・・・。
 都市部は驚くほどに物資が豊かで、大型ショッピングセンターには色とりどりの商品がうず高く積み上げられている。携帯電話の普及率も高い。が、一歩都市を離れれば、まさに藁で作った小屋で生活する人々がいた。しかし、その目に悲壮感はなく、色鮮やかな腰布を巻いてオシャレを競っている。カメラを向ければ子供たちがどんどんと集まってきて大騒ぎ。はにかみながらも「撮って撮って!」とポーズを決める姿はきらきらと輝いている。
 ザンビア人は朝が早い。そしてよく歩く、歩く。街のあちこちで槌音が聞こえ、いくらでもある土地を自分達の手で開拓している。人々に手を振れば、必ずと言っていいほど笑顔で手を振り返してくれる。優しくて人なつっこい。そして陽気だ。
 我々から見れば途上国である彼らに、底知れぬ「生きる力」を感じるのはなぜだろう? 魂がイキイキしていると感じるのはなぜだろう? そこには「窮屈さ」がない。それは逆に「途上」であることの強みかもしれない。「伸びる」余地が大きいことによる「人生の楽しみ」があるのかもしれない。
「将来は大統領になる!」と豪語していたアンソニー。実は20ヶ国語を操るアンドリュー。小学校で出会った瞳のきれいな少年達。露天商の青年。裁縫教室のご婦人方・・・。僕が日本で些細なことに悩んでいる間も、彼らは力強く大地を踏みしめて生きているだろう。僕が西の空に見送った同じ太陽のもとで・・・。
「一度アフリカの水を飲んだものは再びアフリカを訪れる」と言う。確かにそうだろう。魂を開放してくれるあの乾いた風の中に立ち、もう一度胸いっぱいにアフリカの空気を吸い込んでみたい。
みんな生きている!