私がこのエコーリレーを書くのは、今回で2度目です。1度目は、7〜8年前に勤務していた頃で、亡くなって間もない父のことを書かしていただきました。父は認知症で、亡くなるまで私のことを、娘とは思っておらず、とても寂しい思いをしました。前回は、そのことを書かしていただきました。
今回は、この施設に再度勤務させていただいた理由と、この施設での忘れられない出来事について書きたいと思います。 一昨年の夏、実家に帰ったとき、両親の荷物を整理していると、私が独身の頃に父に買ってあげた財布を見つけました。まだ、箱から出されておらず、父が宝物だと言って時々出しては見ていたことを、兄から聞かされ、今さらの様に父に申し訳ないと思いました。何故なら、その財布はブランド物でもなく、決して高価でもなく、どちらかと言えば、安い安い財布だったからです。それを大切に蔵っていたとは思ってもおりませんでした。だから、認知症バリバリの父にしてあげられなかったことを、他のだれかにしてあげられれば・・・・・。これこそ、恩返しのリレーになるのではないかなぁと思い、再度このサンヒルきよたけに勤務させていただいたわけです。
あともう 1 つの忘れられない出来事は、昨年の10月に、体調をこわし、迫田病院に2週間入院いたしました。入院中も、他のスタッフに申し訳ないやら、利用者に顔を忘れられるのではという不安感でいっぱいでしたが、退院後早々に出勤したら、スタッフの温かい配慮はもちろんのこと、利用者78名中2名の方が「あんたなごー見らんかったが、何処に行ってたんや・・・・」と言われ、びっくりするやら、うれしいやらで胸がいっぱいになりました。今まで、自分の親に対する様に利用者の皆さんに接していたことが、この様な結果として返って来たのだと思い、このことは一生忘れないし、今後もこの方針で頑張って行きたいと思います。
|